タイトル

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11.05.2015

秋学期第4回ゼミ

第4回ゼミではジュネットの『物語のディスクール』の叙法・態についての理論を、
田山花袋の『蒲団』と中島京子の『FUTON』で考えていきました。
以下レジュメです。



一通り発表を終えた後、理解が十分でなかった語り手の四つの分類について一つずつ整理していきました。
①異質物語世界外タイプ:自分自身は登場しない物語内容を語る第一次の語り手、三人称
②等質物語世界外タイプ:自分自身の物語内容を語る第一次の語り手、一人称
③異質物語世界内タイプ:自分は登場しないいくつもの物語内容を語る第二次の語り手
④等質物語世界内タイプ:自分自身の物語内容を語る第二次の語り手
「物語世界内タイプ」は、ある物語(第一の物語)の中にさらに物語(第二次の物語)があり、
その第二次の物語について語る語り手(第二次の語り手)が、自分自身の話をするかしないかというところで区別されます。
④等質物語世界内タイプについて、ゼミ生全員がどういうものなのかピンときませんでした。
(次週の課題、中島京子『女中譚』を読むことで解決しました!)

田山花袋の『蒲団』については、ちょうど1年前くらいに一度読んだことがあったのですが、
焦点人物や語り手が誰なのかといったことを意識して読んでいなかったので、
今回分析をしながら読み進めることで新たな発見があったのが面白かったです。
中島京子の『FUTON』は『蒲団』でとことん排除されていた主人公以外の(特に妻・美穂の)視点が描かれていて、
よくこのような書き換えが思いついたな…と思いました。
両方の作品を同時に読むことで、どちらの作品もより一層楽しめたと思います。

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