関テクスト性と脱構築
11月5日と12日のゼミでは、いくつかの文献を使って脱構築について学びました。参考文献
ジュリア・クリステヴァ著 原田邦夫訳
『記号の解体学 セメイオチケ1』(セリカ書房 1983年)
土屋智則 青柳悦子著
『ワードマップ 文学理論のプラクティス』(新曜社 2001年)
まず5日のほうでは、『ワードマップ 文学理論のプラクティス』のほうで紹介された
関テクスト性が、過去のテクストから未来のテクストに影響を与えるだけでなく、
未来から過去のテクストにも影響を与えるのではないか、という考えを確認しました。
もちろんテクストそのものに直接干渉するのではなく、むしろ読者がテクストを読むときに、
以前読んだテクストの影響を避けられないということです。
12日のほうでは5日では確認できなかった『記号の解体学』と、『ワードマップ』の
詳しい解説を先生にしていただきました。
間テクスト性の影響が過去から未来だけではなく、もっと複雑であるということを説明するために、
この2つのテクストを使う、というのが今回のテーマの目的でした。
『記号の解体学』では、対話(P58 12行目)と、水平的(P60 8行目)、
垂直的(P60 9行目)という言葉をキーワードにみんなで話し合い、
対話というのは過去から未来へ、未来から過去へという
双方向的なものであるという結論に至りました。同様に水平的は作者、読者が対象の空間軸的と言い換えられ、垂直的はテクストが対象で時間軸的と言い換えられるという結論を出しました。
『ワードマップ』では、単方向的、モノローグ的、トゥリー的という言葉の対義語を考えました。
単方向的な言葉の対義語に双方向的という言葉を考えたのですが、もはや双方向ですらなく、
多方向的といっても過言ではないと知りました。モノローグ的に対応する言葉を
バフチンはさまざまに言っているらしく、ポリフォニーやカーニバルという言葉で表現しています。ドゥルーズとガタリのトゥリー的に対応するのは、リゾーム的(地下茎)で、上から下への一方向しかないトゥリー的と違い、始点すらわからなくなる植物の地下茎のような構造です。
最近は4限が長引いて5限になかなか時間が取れなかったり、課題と個人が抱える問題がかち合ったりでみんなきついと思いますが、一緒にがんばりましょう・・・!
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