タイトル

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9.03.2015

第11回ゼミ



11回ゼミでは、『批評理論入門『フランケンシュタイン』解剖講義』の
27章のジェンダー批評と8章のマルクス主義批評を取り上げました。

ジェンダー批評

ジェンダー批評は、男女を脱構築化します。男と女というのは、人間が都合のいいように外性器の有無によって分別したものに過ぎないと考えるのです。
そしてこの批評では、ジェンダー批評ではこの考えに基づき作品の中にゲイやレズビアン的関係を見つけ、それを分析します。

①ゲイ批評

・ウォルトンとフランケンシュタイン
・クラヴァルとフランケンシュタイン
これら2つの関係をゲイ的な関係として見ることができるのではないか?

②レズビアン批評

・ジュスティーヌとエリザベス
この2人の関係をレズビアン的関係として見ることができるのではないか?

ジェンダーとセックスについて、ジュディス・バトラーの話をしてもらいました。
フェミニズムが女性の立場の強化、ジェンダーが社会的な規範の変化を目指していて、
どちらも生物学的な男女というものを受け止めていた状況で現れたバトラーは、
ジェンダーがまずあって、男と女にしか分けられないと思ってしまったから、
外性器の有無によって無理やり2つに振り分けれらてしまったのではないか、
と男女を脱構築しました。男女の脱構築化が可能という話をされて私たちは、
衝撃を受けると同時に、このジェンダー批評が男女という2項対立に
押し込められた人たちの立場を強化するものであることを知りました。

 



マルクス主義批評

マルクス主義批評では、文学テキストを時代や社会背景を反映するものだと考えます。
そして作品を分析してそれらの要素を探求して、その関わりにおいて作品の意味を
読み解こうというのが目的です。

①時代と歴史的状況

・『フランケンシュタイン』が生まれた時代
ナポレオン敗北後の激動の時代
・『フランケンシュタイン』劇中の時代
フランス革命真っ只中

②怪物とは何か

・フランス革命後に、その欲求を膨らませた群衆
・人々の仕事を奪う気味の悪い蒸気機関や自動紡績機
・資本家に対する労働者階級
などのメタファーではないか。

③統一を崩す矛盾と闘争

・怪物創造のプロセスの直接的描写が省かれている
・科学技術がテクストから決定的に欠落し、むしろ四季折々の自然ばかり描写される。
これらのことからわかる『フランケンシュタイン』の歴史性とは、
科学技術の進歩が、むしろ社会に分裂をもたらし、
人間を新たな隷属状態に至らしめたという現象であるといえます。

今回やってみて思ったこと
ジェンダー批評はたくさん時間を使って全員の理解度も高まり、
ジェンダーに対する関心、新たな見方も獲得することができたと思います。
マルクス主義批評のほうは、個人的には不完全燃焼で、
これからも勉強することが必要だと感じました。

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