タイトル

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3.31.2016

合同発表会後半

3年生に続いて、4年生の発表が行われました!
4年生は2年間のゼミの集大成!しかし、意外にも発表は卒論の内容ではなく、アドバイスでした。2年間過ごして、卒論を書き上げてわかったことが沢山あったのだと思います。だからこそ、新4年生に、新3年生に悔いなく、楽しいゼミ生活を過ごすためのアドバイスをしたいという気持ちが湧き、今回の発表内容に繋がったのだと思います。


3年生の成長ぶりに感動。頼もしく思いました!4年生は安心して卒業することができます!


内藤ゼミの皆さん、何事も素早く行動しましょう。早め早めの行動が良い論文、楽しいゼミ生活に繋がります(経験者は語る)。

内藤先生は厳しい先生ですが、忙しい中、私たちゼミ生のフォローをしっかりしてくださいます。本当に感謝の気持ちで一杯です。
ゼミ生でいる間は、好きなことをとことん!やって充実したゼミ生活を送ってください。そうなることを祈っています。

そして、ゼミ合宿に誘ってもらえると4年生はとっても嬉しいです!

合同発表会前半

2016/3/24
3、4年生の論文の発表会を行いました!
2年生にも参加してもらい、充実した発表会になりました。

当日の教室の様子はこんな感じです。



前半は3年生の発表で、後半は4年生の発表でした。

3年生の論文の内容が、『レ・ミゼラブル』の舞台に春画に百合に『ボトルネック』の作品分析…と皆見事にバラバラで面白かったです。まあそれは私たちの代にも言えることですが…(笑)
どの論文もとても面白かったので、これがこの後どんな卒論になっていくのか楽しみです。

夏休みの時に、3年生の論文のテーマを聞いていたのですが、一作品に絞ってその作品をずっと追及してる人に対して、社会の現象とか価値観に興味のある人が夏の時とテーマが大きく変わってるのが私たちの代と一緒で面白かったです。特に春画。まさかそこに行き着くとは(笑)
ちなみに私は3年の夏はボーカロイドの消費形態の論文を書きました(懐かしいな…)。それが最後にはBL批評になったんだから何がどうなるか分かりませんね。
でもその回り道にも意味はあるので、テーマに迷ってる人はテーマが定まるまで大変かもしれませんが地道に頑張って下さい!


この発表会が私たち4年生にとっては大学生活最後のイベントになりました。
思い返せばこの2年間本当にたくさんのことがありました。
アナ雪の分析を行った時に、教室の電気が消されるまで議論してへとへとになったことも今ではいい思い出です。
私の中で、大学の思い出=ゼミというくらい濃い体験でした。
あっという間の二年間でしたが、内藤ゼミに入って本当によかったです。
ありがとうございました!

内藤まりこゼミ一期生 石原さつき

秋学期第15回ゼミ 後半

3年生最後の批評理論ゼミは、日高さんと私が二人で担当しました。
これは私的感想ですが、レジュメを制作するスピードが、
初回よりも格段に速くなったように思います!(笑)

議論のほうも、大変活発なものになりました。
前半で学んだ、ロンドンの都市構造と階級社会の関連性を踏まえたうえで、
ロンドンは法で支配されている内側と、そうではない外側に分けられる。
この構造の転覆をはかろうとするのは、外側にいる人々であり、
そこには大衆演劇を上映している地域も含まれている。

劇の内容は、ロンドンの状況をメタ的に表現しているとも言えるし、
この劇場自体が「権力に組み込まれている」のかもしれない。

時間切れで納得の行く結論が出せなかったのが悔しい!





秋学期第13回ゼミ

                                  2015 12.17
ブログの更新をすっかり怠っていました。記録は記憶が新鮮なうちにせねばならないのに…
13回ゼミでは、4年生をゲスト講師に招き、4年生の論文集『物語として読み解く『アナと雪の女王』―物語の構造とイデオロギー―』の書評会を行いました。

担当した1章と3章のことです。↓

第1章 『アナ雪』分析の方法―文学研究からのアプローチ

論点『アナ雪』に対するメディア(世間)の解釈を無批判に受け入れてよいのか?

『アナ雪』の「物語」としての特徴を明らかにする
ここでいう「物語」とは始めと終わりがあり、ある筋によってまとめられるような言説形態を意味する。

分析方法
1物語の構造
『アナ雪』の物語を構造として捉えることで他の作品との共通点や差異を浮かび上がらせ、その物語的特徴を明らかにする。
『アナ雪』の新規性として指摘される3つ(①-③)の点に焦点を絞り、検証し、それらの新しさ妥当性を検討、メディアでの言説において語られる解釈の可能性を探る。

    原作とかけ離れた物語内容になっている点
→『アナ雪』の原作となったアンデルセンの『雪の女王』、『アナ雪』、同じくアンデルセンの『雪の女王』を原作に持つレフ・アタマーノフのアニメーション作品『雪の女王』の3作品の関連性を考察する。

    「ダブルヒロイン」物である点
→ウラジミール・ポロップが提唱した物語の構造が『アナ雪』にも存在するか検討し新規性の有無を考察する。
    ヒロイン2人が自立した女性である点
→ディズニーの他の「プリンセス作品」と『アナ雪』にマックス・リュティが掲げた「5つの要素」が存在するか検討し、『アナ雪』と他の「プリンセス作品」との質的な差異を明らかにする。

2物語のイデオロギー
『アナ雪』がどのようなイデオロギーを包含しているのかを考察する。

    エルサの「ありのまま」
ユーリー・ロトマンが提示した記号論的分析方法を用い『アナ雪』の物語世界の空間の仕切られ方、登場人物の配置を分析し、「ありのまま」がいかなる状態であるか考察する。
外部と内部で仕切られた登場人物の関係に生じる権力構造を明らかにする。
    「真実の愛」
「真実の愛」が外部、内部の空間文節に基づく登場人物の権力構造をどのように反映しているかを考察する。

3
1節 空間表微から考えるエルサの「ありのまま」
論点
 エルサは最後まで「ありのまま」でいられたか?
 『アナ雪』はエルサの「ありのまま」の自分を肯定する作品だと解釈できるのか?
 エルサの「ありのままの姿」とはどのような自己像なのか?

・ロトマンは物語の空間「内部」と「外部」からなる構造を持つとした。外部と内部は「境界」によって強固に断絶していて、登場人物が境界を越え今までいた空間とは別の空間に侵入することは容易でない。
      
・                 森、山、海


・境界線は登場人物の行動に応じて位置がずれたり、消滅したりする。
・『アナ雪』において内部は王国が支配し高度な文化が繁栄する人間の住む世界。外部は荒々しい自然が広がり、野蛮な生物や魔術的な生物の住む世界。
・エルサは魔法をつかう点、内部の人間から内部に害をもたらす存在であると認識される点から外部的存在である。
・エルサの「ありのまま」とは魔法を自由に行使できる氷の城での姿であり、内部である王国に戻ってからのエルサは真の「ありのまま」の状態とはいえない。

第2節イデオロギーとしてしての「真実の愛」
論点
 エルサが「ありのまま」でいられない物語の結末はハッピーエンドといえるのか?
 「真実の愛」とはいったい何なのか?
・「真実の愛」を語っているのは全員外部に属している。それは問題の当事者でないものが語ることによって「真実の愛」の普遍性を表すためである。
・実際に「真実の愛」を行使するのは外部の存在だけである。「真実の愛」は外部が内部のために行使する力であり、普遍性があるとはいえない。
・トロールの魔法では凍った心を溶かせない
→「真実の愛」は外部の魔法を凌駕する力であり、魔法を使う外部を制御する力である。

 自分より人のことを大切に思い、その人のために行動することとして描かれる
→自己犠牲のイデオロギー

外部の者たちが、内部の人々や共同体のために行使する力として描かれる
→外部による内部への献身が自明のこととされている。
・『アナ雪』がハッピーエンドとされる理由
①アナとエルサは内部世界で育った人なので、一度外部に出たとしても、最後に内部に戻ってくることを観客が期待するから。

②現代社会では家族は同じ場所に住むべきであるという考え方が一般的であるから。



感想
先輩方の論文は『アナと雪の女王』の見方を広げるものでした。きれいなハッピーエンドとして受け入れるだけでなく、一般的な考えに疑いを持つことで見えるものがあると思いました。また先輩方が提示した見方が正しいというわけではなく、分析方法を変えることで、違った結論が導きだされることが分かりました。