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6.13.2014

第7回ゼミ


2014/05/28

 

 第7回ゼミでは、『批評理論入門『フランケンシュタイン』解剖講義』の第1部、11・12章を取り扱いました。以下が今回のレジュメです。(レジュメはゼミ初回のガイダンスを抜いて第6回と記載してあります。また、解剖講義が解剖講座になってしまっています。申し訳ありません。)








 「反復」は、用語の意味としてはすぐに理解できましたので、主にそれによって発生する効果や意味について『フランケンシュタイン』の具体例を用いて考えました。すべて書き出すと分量がとても多くなってしまうため、一部抜粋して紹介します。(以下の内容は、レジュメ11章「反復」を読んでからご覧下さい。)

 ~反復される要素その1 “悲惨な死”という出来事~
  ・読者にハラハラドキドキと恐怖感を与える。
  ・読者に、残酷な怪物に対しては非難を、フランケンシュタインには同情をさせる。
  ・フランケンシュタインと怪物の切っても切れない因縁を表現する。
  ・生命創造を行ったにもかかわらず悲惨な死ばかりであるという皮肉を浮かび上がらせる。

 ~反復される要素その2 “フランケンシュタインと怪物の出会い”という場面~
  ・二人の呪われた関係性を象徴する。
  ・フランケンシュタインは怪物に見られている。
  ・フランケンシュタインが常に抱える恐怖を表わす。

 ~反復される要素その3 “女性”という人物~
  ・作品制作当時の社会背景(女性は従属的、受け身で、男性に庇護されるべき)。

 ~反復される要素その4 「足跡を踏む」、「新しい道を切り開く」などの言葉~
  ・二人の性格の類似性を強調する。
  ・読者に(似ている)二人を重ね合わせて見るよう誘導する。

 「反復」は、作者が意図的に物語内に埋め込んだものと、無意識的に(当時の常識を記すことで)「反復」になってしまったものがあり、区別するためには同時代の別の作者の作品も参照しなければならないとのことでした。



 「異化」の章では、私たちがある“もの”に対して予見(言語化)できてしまうと、その“もの”自体が持つ不気味さ(正体がつかめないことに対する恐怖)が消えてしまうということと、「異化」によって、自動化(常識・日常化)された“もの”に揺さぶりをかけることができるということを学びました。
 『フランケンシュタイン』以外の「異化」の具体例として、芸術作品であるマルセル・デュシャンの『泉』が挙げられました。この作品は一般的な便器に署名をしただけのもので、泉という概念の「異化」、芸術の概念(芸術とは当時、手作業によって作られたこの世で唯一の作品のみを指していた)の「異化」を行っていると言えます。



 今回もまた議論が白熱しました。ゼミが終わった後は大抵頭が働かなくなります。しかし、このように頭を限界まで使って物事を考えるからこそ、納得できた時の達成感がとてつもなく大きく感じられるのだろうと思います。次回のゼミも頑張るぞ!



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