タイトル

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7.22.2015

第7回ゼミ

第2回のゼミでは廣野由美子『批判理論入門『フランケンシュタイン』解剖講義』の13~15章について考えました。
レジュメです。



13章間テクスト性では『フランケンシュタイン』が先行するどのような文学テクストからどのような影響を受けたのかについて見ていきました。
『失楽園』や『老水夫行』などはその当時知れ渡った有名な作品で、作者はそれらを意図的に物語に組み込んだと考えられますが、怪物の成長過程での哲学者による考え方などは、作者の意図というよりも無意識に入れ込んでしまったものではないかという話になりました。
また「間テクスト性」と「パクリ」、さらに「オマージュ」についての話にもなりました。
以前は優れた作品のまねをすることは咎められたりすることもなくむしろ推奨されていたそうですが、著作権という考え方が生まれてからパクリ=悪いものという印象になってしまったようです。

14章メタフィクションのところでは苦しみました。
一度フランケンシュタインの語りの構造について整理しました。
語り手が物語内での階層を超えて語ることがメタフィクションである、ということだったはずです。
分かりそうで分からない内容に全員で頭を抱えながら少しずつ理解していきました。

15章結末の部分は残り時間が少なくそこまで議論はできませんでしたが、
結末のはっきりした「閉じられた終わり」と結末があいまいな「開かれた終わり」の2種類について押えました。
個人的には「開かれた終わり」を採用している作品が好きですが、みんなに聞いてみたところ「閉じられた終わり」派が多くて寂しかったです。

今回のところで前半の小説技法編が終わりました。
さまざまな技法が出てきて、前半のほうのものを忘れがちなので一度整理して、後半の批評理論編に臨みたいと思います。

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