連休明けもなんのその、脳みそを振り絞っての(?)真剣な議論でした!
(そのGW、今年は4連休と短め。「ゴールデン”ウィーク”じゃないのかい!」とつっこみつつも、ゆっくり実家で満喫しました。)
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5章は「提示と叙述」です。
語り手が出来事や登場人物を語る時の方法は大きく分けて2つあります。
・「提示」は語り手が介入して説明したりせず、黙ってあるがままを示す方法。
語り手が出来事や登場人物を語る時の方法は大きく分けて2つあります。
・「提示」は語り手が介入して説明したりせず、黙ってあるがままを示す方法。
・「叙述」は語り手が全面に出てきて、出来事や状況、人物の言動や心理、動機などについて、読者について説明する方法。
例えば小説『フランケンシュタイン』では、フランケンシュタインが治安判事に告訴する場面がありますが、
・判事に会う
→2人の会話が「提示」。話の内容や、話し方の特徴がじかにわかる
・フランケンシュタインの供述
→「叙述」によってその内容自体は要約されている
と、このように「提示」「叙述」が使い分けられて進行しているのだと学びました。
6章は「時間」です。授業ではここが鬼門となりました(笑)
小説にも現実のように時間が流れていますが、その流れ方は現実とは全く違います。
まず、出来事は過去から未来に一直線に語られないこと。様々なアナクロニー(ストーリーとプロットの出来事の順序の不一致)により、過去・現在・未来が組み替えられます。
過去の回想が入ったり、ちらりと予告めいた伏線がほのめかされたり…。前者を後説法(フラッシュバック)、後者を先説法(フラッシュフォワード)といいます。
そして時間の流れるスピードも違ってきます。テキストでは省略法、要約法、情景法、休止法の4つが挙げられていました。
難しかったですが、議論の末以下のような図が。
○省略法:ある期間を省略して、一気に飛び越える (Ex,それから二年後…)
○要約法:数日間~数年に及ぶ生活を、詳細を抜きにして数段落や数ページで要約
○情景法:場面が劇的に展開し、理論上は物語内容の速度と物語言説の速度が等しくなる
○休止法:語り手が物語を中断させ、その時点で登場人物が誰も見ていないような光景や情報を示す。物語内の速度はゼロになる
→休止法では、過去の時間内では知り得ない未来の情報が示される。語り手が「全知の語り手」(=三人称の語り手)である時や、語られる過去と語っている現在という2つの時間軸がある時(『フランケンシュタイン』はこれ)などでしか出来ない。
このようなことが先生の手助けもありつつ、理解できたなと思います。
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第三回ゼミに引き続きまたしても出てきましたが、「語り手」の概念は色々なところで重要になる予感がします。
それに関連し、今回はもう一つ。
芥川龍之介『藪の中』と、元となったお話「具妻行丹波国男於大江山被縛語第二十三」(今昔物語集より)を読み比べました。
物語には語り手がいます。一見、信頼できる語りをしているように見える語り手でも、本当は信頼できないのではないか。 しかし、そんなことを言ってしまったら信頼できる語り手など存在しないのでは・・・
信頼できる語り手が存在できるか否かという問題。今後の宿題です!